有義波高
先日、波浪予測サイトの紹介をしましたが、今回はそれに付随した波の話をします。
磯に釣りに行く人にとってたいへん重要な事柄なので以前から一度紹介したいと思っていたのですが、自分で理解できない事があって躊躇していました。まだわからないままなのですがちょうど良い機会ですので…見切り発車というやつで(汗)
今日お話しするのは
『波予測サイトの波高の定義と留意点』についてです。
素人のワタシが知ったかぶりをして書き綴るより、
気象庁のサイトにわかりやすく記載されていますのでそちらを引用します。時間があれば『
気象庁ホーム > 気象等の知識 > 海洋 > 波浪の知識』をくまなくご覧ください。波についてとても参考になります。
まずは『波はどのようにしてできるか』基礎知識としてこちらをご覧になってください。
===== 気象庁ホーム > 気象等の知識 > 海洋 > 波浪の知識より引用 =====
《 風浪とうねり 》 海面上で風が吹くと、海面には波が立ち始め、波は吹かれた方向(風下)へ進んでいきます。波が進むスピードより風が強いと、波は風に押されて発達を続けます。このように、その海域で吹いている風によって生じる波を“風浪”といいます。風浪は発達しつつある波で、個々の波は不規則で尖っており、強い風の場合、しばしば白波が立ちます。発達した波ほど、波の高さが大きく、周期と波長も長く なり、スピードも速くなります。
一方、こうして発達してきた風浪が風の吹かない領域にまで伝わった波、あるいは風が弱まった場合や風向が急に変化した場合に残された波を“うねり”といいます。うねりは減衰しながら伝播する波で、同じ波高の風浪と比較すると、規則的で丸みを帯び、波の峰も横に長く連なっていますので、沖合いではゆったりと穏やかに見えることもあります。しかし、うねりは波長(周期)が長いために水深の浅くなっている海岸(防波堤、磯、浜辺など)の付近では、海底の影響(浅海効果)を受けやすく、波長(周期)の短い風浪よりも波が高くなりやすいという性質を持っています。このため、沖合いから来たうねりが急激に高くなることがあり、波にさらわれる事故も起こりやすいので注意する必要があります。
うねりの代表例は土用波で、数千km南方の台風周辺で発生した波が日本の太平洋岸まで伝わってきたものです。うねりが伝わる速さは非常に大きく、時には時速50km以上に達することもあります。日本の南方にある台風が北上してくる場合には、太平洋高気圧に進路を阻まれて日本のはるか南海上を比較的ゆっくり進むことも多く、そのためスピードの速いうねりが台風自身の接近よりもかなり早く到達することもあります。
通常は、風浪とうねりは混在しており、それらをまとめて海の波を「波浪」と呼んでいます。時には、風が弱く風浪がほとんど無いことや、うねりが2つ以上の方向から伝わってくることもあります。非常に強い風の吹く台風の中心付近では、様々な方向からの風浪とうねりが混在して、波高が10メートルを超えることも それほど珍しいことではありません。
===== 引用終了 =====
ここからが本題です。
波浪予測サイト、テレビ、ラジオ等のメディアで発表される『
波高の定義』です。
非常に重要なことが書いてありますので磯に行かれる方は必ず読んでください。===== 気象庁ホーム > 気象等の知識 > 海洋 > 波浪の知識より引用 =====
《 有義波、有義波高 》 海岸で打ち寄せる波をしばらく見ていると分かるように、通常、海には高い波や低い波が混在しています。そこで、複雑な波の状態を簡単に表す方法として、統計量を使う必要があります。
ある地点で連続する波を観測したとき、波高の高いほうから順に全体の1/3の個数の波(例えば20分間で100個の波が観測されれば、大きい方の33個の波)を選び、これらの波高および周期を平均したものを有義波(有義波高、有義波周期)と言います。(「3分の1最大波」とも呼ばれます。)つまり有義波は、一番高い波でも、単なる平均の波でもありません。また、大きな波や小さな波が混在する実際の海面では、目視で観測される波高は有義波高に近いので、一般に波高と言った場合は有義波高を指します。
現実の海面には有義波高より高い波や低い波が混在しており、時折、有義波高の2倍を超えるような波も見られます。例えば、100個の波を観測した時に見られる一番高い波は、平均的には有義波高の約1.6倍にもなります。(実際には、一番高い波が1.6倍より大きい場合も小さい場合もあり、平均すると約1.6倍という意味です。)これを「100波に1波は有義波高の約1.6倍」とか「100分の1最大波は有義波高の約1.6倍」などと言うこともあります。また、1000波の場合には、そのうち1波は有義波高の2倍近い高い波となります。===== 引用終了 =====
波高の定義について理解していただけましたでしょうか。
特に後半部分
・100個の波を観測した時に見られる一番高い波は、平均的には有義波高の約1.6倍にもなります。
・1000波の場合には、そのうち1波は有義波高の2倍近い高い波となります。
いわゆる『与太波、大与太波』と呼ばれる波です。磯で亡くなる人の大半はこの与太波を被り引き波で海に落とされるのが原因です。
波周期を10秒とすると100波到達する時間は1000秒=約17分、1000波到着する時間は10000秒=約170分、つまり
3時間に一波は予想波高の2倍の波が到来する可能性があるということです。
波はパワーを持ち波高の2乗に比例します。波高が2倍になれば4倍のパワーになって襲ってきます。
これらのことを念頭に置き、安全な釣り座を選ぶ、安易な釣行は控える等の自己防衛をしてください。命があってこその楽しい釣りなのですから。
Posted by angler_tap at 15:17│
Comments(20)│
TrackBack(0)│
この記事へのトラックバックURL
omizoさん> 今回はずいぶん辛口コメントですね(笑)
死ぬときは別なメソッド(腹上死とか)で望みたいと思います(違)www
………………………………………………………………………………
波にさらわれて、行方不明になったら、海保さん、漁港さんで、さがしゃやならんので、迷惑千万であります。現在捜索は無料ですが、そのうち有料になる恐れもあります。
TV報道された日には、家族も迷惑千万です。
落水も、ライジャケでは、水温20度では、4時間で、低体温症です。15度なら2時間持ちません。風吹いていたら、もっと早いです。
釣り用ウエアーでは、低体温症を防ぐ事は不可能。
磯で、大根おろしに成るほうが早いかも。
女に刺された分には、暇があれば、何とかしてやるかも?。まぁ救急も暇がないので、あきらめてね。
そんな奴は、家族から遺体引取り拒否されるかも。 遺体引取り拒否でも相続権は有るから問題なし。
………………………………………………………………………………
リーダー> いつものワタシは世を忍ぶ仮の姿ですよ(笑)
………………………………………………………………………………
tapさん>恐れ入りましたm(_ _)m
瀬戸内では波高に対する緊迫感は無いです^^
敷石に降りてる時の漁船波ぐらいでしょう。
大事なことを次世代に伝えることもまた大事ですね。
それにしても・・・ニューtapさん?
いつもと雰囲気違うので何となく汗っ(笑)
………………………………………………………………………………
リーダー> 瀬戸内海ではあまり波高は問題ではないんでしょうね…波があるときはその前に風で釣りが成立しないという感じなんでしょうか。
春先の津波騒ぎで感じたことなのですが、その恐ろしさは近距離→波高、長距離→超長周期の波が高潮のように襲ってくる事にあると思いました。
ワタシも釣りを始めてそこそこの年数が経って中堅どころになってきました。釣りの先輩に教わったことを初心者に伝えるのがブロガーとしての使命だと思っています。
………………………………………………………………………………
こんにちは。
有(意)義な講座でしたm(_ _)m
場所を間違えたのかとも・・・(汗)
釣りは楽しい反面、正しい装備と情報がないと危険と隣り合わせ・・・ということを改めて認識しました。
波高に関しては津波も似たような面があります。
入り江など狭まる、浅瀬へと変化する地形等、その分波高が高くなるので、予想が万事ではないです。
1mの津波でも決して笑えないということです^^
流石にtapさんのブログは安全面も勉強になりますね~
………………………………………………………………………………
ローリングナイトくん> 何かあってからじゃ遅い…だよね。
離岸流ようやく見つけました逝きましたじゃぁシャレにならないよね(笑)
………………………………………………………………………………
自分も離岸流を発見した事ありません^^;
ですが、何かあってからじゃ遅いから注意をしてい
るんだと思います!
離岸流に流されてしまったら、岸と平行に泳ぐと助かるみたいです。
………………………………………………………………………………
しんちゃん> あざーす(´・∀・)
いえ、鹿島にいい子がいるよ
って要件でした(笑)
………………………………………………………………………………
なんかご連絡いただいてたみたいですが、たぶんこのことですね?
http://www.kaiho.mlit.go.jp/08kanku/weather/weather.htm
風向・風速・吹き始めからの経過時間等考慮して想像してみるとよいかと思いますよ。
………………………………………………………………………………
そに@適齢期> ヲマイももう一人じゃないからな、ちゃんと嫁よ。
しんちゃん> どこ見ればいいっすか!?
………………………………………………………………………………
ウェブ上の波浪図も重要なんですが、天気予報の波の高さ○mってところが、かなり当たってるように思います。あとは各灯台の風向風速情報で妄想してます(笑)
………………………………………………………………………………
途中まで読んだけど、文字の波に溺れてしまい力尽きた。
また、時間ある時読むわ
………………………………………………………………………………
お互い寄る年波には勝てない……(-.-;)y-~~~
………………………………………………………………………………
よっしーたん> 引き波→振り返れば寄せ波…冗談です!生死に関わることに冗談はイカーン!(´・ω・`)ヨッターには気をつけてください。
ミスター> の場合、波にさらわれるより女に刺されないかの方が心配です(笑)
CPS師> お互い年取りましたね…(涙)
ローリングナイトくん> 学校で離岸流教えてくれるのか!すごい地域だな( ゚Д゚)ワタシの場合、離岸流が見つけられなくて苦労してるがな…
ろっきん改めアレヲさん> 波高10cmの時に行けば2倍でも20cmですから(´・∀・)そんなときにどーぞ(笑)ないない!あなたの休日にそんな日(爆)
………………………………………………………………………………
なんだか完全ベタ凪じゃないと怖く感じてきました・・・つか、私の釣行日にそんな日は無い!!
………………………………………………………………………………
なるほど、引き波も危ないんですね。
たしかに、離岸流の注意は学校からされますからね!(ちがうかな?^^;
………………………………………………………………………………
この記事を読んで、昔を思い出しました……(-。-)y-゚゚゚ ありがとう(笑)
………………………………………………………………………………
勉強させて戴きました。
なるほど、過去に、磯や、波止で、天候のいい日に頭から、顔面から、びしょ濡れに潮をかぶったのはどうしてだったのか??
お陰様で、疑問が解けました!
ps。。潮??潮をかぶる??アレレ??(゚ν゚)
あ、いや、いえいえ、、決して、海の話でございますから~(滝汗)^^;
………………………………………………………………………………
なるほど!!命を守るための良い勉強になります(^O^)
松江に来てから磯に行かないのですが、浜田ではよく行ってました。与太波に足をとられかけた経験は何度もあります(゜o゜)
あれって、前から来る波にはけっこう耐えられるのに、引き波には簡単に足がさらわれてしまいますよね。不思議です・・・・。
………………………………………………………………………………